ふんにゃり手帖
2009
次の日、やはり朝は胎動を感じることが出来なかった。
でも前の晩はよく動いていたし会社に着けば起きるかな?と悠長に考えていたけれど、会社に着いてからも、昼になっても結局胎動はほとんど感じられず、不安になった私は産婦人科へTELをして聞いてみることにした。
『私の心配しすぎかな。でもこれで何でもなかったら安心できるもんね』と思いながら。
でも電話越しの看護師さんの回答は私にとって意外なものだった。
「出血や痛みはありませんか?
母子手帳を持って、今すぐこちらに来て下さい」
“え?今すぐ??
そんなに緊急性の高いことなの?”
急に頭の中が真っ白になって、とにかく早退して行かなくちゃならないので上司に相談をしに行って。
旦那にも連絡して急遽病院まで来てもらうことに。
会社から病院までは約1時間。
慌てて帰り支度をして電車に乗り、ただひたすらに「落ち着け、落ち着け自分」と何度も何度も言い聞かせながら向かった。
途中、旦那から『大丈夫、俺達の子供はそんなに弱くないよ』というメールが入って危うく泣きそうになった。
駅で旦那と合流して病院へ。
着いた頃には午後の診療時間は終わっていて、いつも妊婦さん達でごった返しているロビーはガランとしていつもより広く感じた。
そんな静かな中、診察室に呼ばれ経腹エコーをして貰った。
その時のやりとりは確かこんな感じ。
Dr.「心臓の動きはしっかり確認できるし、心音もちゃんと聞こえる。赤ちゃんは横位になってるから、ちょっと子宮の狭い部分に頭が嵌まり込んじゃってるみたいだね…。確かに動きにくそうな感じがするね。」
私「何か私に出来ることはありませんか?」
Dr.「うーん、そうだなぁ…。出来るだけ安静にしていて下さい」
私「じゃあ仕事は…」
Dr.「休める環境なら、しばらく休職した方が良いと思うよ。どうかな?」
やっぱり仕事は出来ないのか…。
悪阻も明けてやっと復帰できたのに。
とても好きな仕事だったし、念願叶ってやっと就けた仕事だったので出来ることなら続けたかったけれど、子供の為なら仕方ない。
この子を守れるのは母である自分だけなんだと言い聞かせ、「分かりました、休職します」と返事をすることが精一杯だった。
先生の仰ってくれた「心臓の動きはしっかり確認できる」という言葉にとりあえず一安心したけれど、「もっと詳しく調べるので、また明日来て下さい」という言葉に、不安を完全に拭い去ることは出来なかった。
“詳しく調べなくちゃならないくらいの状態なんだ…”と後ろ向きの思考ばかりが浮かんだ。
ロビーで待っていた旦那にもエコー結果を報告。
私は余程不安そうな顔をしていたのか、明日も一緒に来ると言う。
確かに不安で一杯だったので、誰かが傍にいてくれることはとても有難かった。
その日の夜は不安を抱えながら布団に入ったけれど、案の定ロクに眠ることはできず終いだった。
しばらく続きます(汗)
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